発達障害と睡眠障害
発達障害は、脳の発達に異常がある状態を指し、注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)などが該当します。これらの障害は睡眠にも影響を及ぼすことがあります。
[睡眠障害]
・起床困難
・過眠症(ナルコレプシー)
・SAS(睡眠時無呼吸症候群)
・睡眠時驚愕症
・夢中遊行(夢遊病)
・体内リズムが崩れる概日リズム睡眠-覚醒障害
このような様々な症状が睡眠障害に含まれます。そして、
発達障害を抱える人には50%近く睡眠障害を抱える人が存在している
と言われています。
また、睡眠の質が低下することで、発達障害の症状が悪化することもあるといわれているのです。
それって発達障害が原因なの?
発達障害や睡眠障害は、ひとつの原因だけではなく、いくつかの要因が一緒になって引き起こされることが多いです。
例えば、発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害は、遺伝的な要素や脳の成長の過程、周りの環境などが影響すると考えられています。ただ、詳しくはまだわかっていないこともたくさんあります。
睡眠障害も同じで、いろいろな種類があります。
例えば、眠れない不眠症の場合、ストレスや生活の乱れ、心の状態などが影響を与えることがあります。また、寝ている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群という病気もあるんです。これは、体の中で気道が詰まりやすい体質や、太っていること、寝る姿勢などが影響している可能性があります。
科学者たちは、これらの障害の原因や仕組みを調べていますが、
まだ完全にはわかっていない部分もたくさんあるんです。
将来的にはもっと詳しい情報がわかるかもしれません。
寝ない子・寝れない子への対応策はある?
発達特性を持つ子の良質な睡眠へと改善するには、睡眠環境の整備が重要です。
静かで快適な寝室を確保し、睡眠を妨げる要素を排除することが求められます。
例えば、就寝前にスマホやタブレット、テレビなど使用しない。できるだけ興奮しない遊びをするなどがあげられます。
【睡眠改善策】
・ 朝日を浴びる
・ 朝ごはんを食べる
・ 日中、適度な運動をして体を動かす
・ 早寝早起き
・寝る時は部屋を暗くする(小さい光も消す)
また、睡眠時のルーティンを確立し、リラックス法(深呼吸や瞑想など)を活用することも効果的です。さらに、雑音を遮断するヘッドフォンや少し重みのあるブランケットなどのサポートグッズなどを利用してみるのもいいかもしれません。
子供も飲める入眠改善薬、メルトラベルって?
メラトベルとは、メラトニンを成分とした入眠改善薬の事をいいます。
6歳から15歳までの神経発達症(主にASDなどの障害)のある子どもに対して処方される薬で2020年6月より販売されました。
メラトベルの主成分は、メラトニンというホルモンです。メラトニンが作用することで入眠を促します。
そもそもメラトニンは、脳内でつくられるホルモンで、概日リズムの調節をする働きをし、眠りを促す作用があります。
6歳~15歳の自閉スペクトラム症に伴う睡眠障害のある子どもに対して臨床試験を行った結果、メラトベル投与2週間後の記録で、寝床に入ってから眠りにつくまでの時間が短縮したと言われています。
親が不眠に陥ることも
ここまで発達障害と睡眠障害は深くかかわりがあるのではないかと記述してきました。
発達障がいを持つお子様で睡眠障害を併発される子たちも少なくはありません。またその場合、共に生活する両親も睡眠不足に陥ることがあります。
睡眠不足状態が長期にわたると糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病やうつ、認知症など、様々な病気のリスクになると考えられています。
上記を回避するためには、行政のサポートで受けれるレスパイトサービスなどを使用して「親が休む時間」も確保する必要があります。
でもこの時間も長くは取れないことが現実です。
効率的な睡眠をとるためには「良い睡眠」というものを心がけたいものです。
良い睡眠とは下記の3条件が必要だといわれています。
条件1:十分な睡眠時間(量)
条件2:安定した眠り(質)
条件3:規則正しい睡眠(リズム又はタイミング)
くすりと健康の情報局 by 第一三共ヘルスケア 抜粋
睡眠の質を上げる工夫
上記3条件の中、十分な睡眠時間や、規則正しいタイミングを作ることは発達障害児育児だけではなく、日常生活でも難しいと感じます。そのために睡眠の質を向上させる工夫が必要になります。
昨今はドラッグストアなどでも「睡眠の質を向上させる」商品は多く購入することが可能です。
また、こちらの「ネムリス」はインターネットから購入することができる睡眠の質を向上させるサプリメントです。
子どもを連れての長時間の外出や、商品のたくさん並ぶお店への買い物が難しいとき
インターネットから購入できることはとても助かるのではないでしょうか。
まとめ
発達障害と睡眠の関係は、睡眠の質やリズムの乱れ、共同症状の影響などにより複雑です。しかし、適切な睡眠環境の整備やルーティンの確立、技術的な支援の活用などを通じて、発達障害者の睡眠問題は管理可能です。医療的なアプローチと心理的なサポートの組み合わせが重要であり、最新の研究と治療法の進展にも注目が集まっています。睡眠と発達障害の関係に関する理解の深化と社会的なサポートの向上により、発達障害者が健康で質の高い睡眠を実現できる未来が期待されます。